コワ〜イ話にご応募頂きました・・・
生まれて初めて買ったイタリア車が一瞬でスクラップになるなんてことが本当にあるのか?
私の様な車好きにとってあってはならない話です。
でもこれは事実です。
まだ私が会社入って1カ月目のゴールデンウィークの日のお話です。
私の実家が埼玉で、勤め先が千葉県茂原市だったので毎週末は埼玉まで車で帰っていました。
そして日曜の夜には茂原に戻る生活をしていました。
車は買ったばかりの’82 AUTOBIANCHI A112 ABARTHで、
やっと5千キロの慣らしが終わった所でした。
生まれて初めてのマイカーはFF車でした。
私はFF車は友人の車に少し乗った位で初体験ですね。
駆動方式FRの車はコーナー途中からパワーオンにしてパワースライドをするのが好きでした。
しかし、FF車はそんな運転は出来ません。
どうして良いかわからず、ヒーヒー言いながら乗っていました。
例えば筑波山に行った時、中速コーナーで右足をアクセルから離すと、
いきなりリアタイアが外側に滑り出します。
何とかカウンターステアで切り抜けました。
そのテールハッピーな車の動画がコレ、最初に出てくるのがアウトビアンキA112です。
そんなある日、千葉県の田舎道を茂原に向けて走っていました。
当時から怖いけど峠が好きだったので、少しだけ曲がりくねった道に車を向けました。
恐怖の体験はここから始まります。
一つ目のコーナーを抜け、2つ目の一寸深いコーナーにオーバースピードで突入しました。
そこでハンドルを切りますが、何と曲がりません。
このままだと道路から飛び出して崖から落ちてしまいます。
当然右足はブレーキを踏みます。
最初はチョン!と軽く踏みましたが何も起こらない!
そこで今度は強くブレーキを踏みました。
FF初心者がハイスピードでハンドルを切ったままブレーキを踏む怖さ、これわかりますか?
正に恐怖の瞬間です。
さて次に何が起こるか車好きならわかると思いますが…。
しかも車はショートホイールベースで2,038mm!
一応説明しますが、この位ホイールベースが短いと回頭性は凄く良いです。
スパッと曲がります。
そうです。
次に起こったことは、リアタイアがコーナー外側に向かって一気に滑り出しました。
車はコーナーIN側の林に瞬時に向きました。
この時点で私は何とかカウンターステアで挽回しようとしましたが、
「ウッ!ハンドルが重い!全然回らない!」
ブレーキングしたことにより荷重は車の前に掛かっているのでハンドルが凄く重くなっています。
勿論、この時代の車ですから、パワーステアリングはありません!
(現代の4Cにもありませんが…)
この頃からです。時間が止まった様に感じ始めたのは…。
景色がゆっくりと動いている様に感じました。
非常に残念なことに、私の思いに体は反応せず、頭は超高速で考えて、
こんな操作をするべきと思っても体は現実の速度でしか動けないので、
火事場の馬鹿力でハンドルを思いっきり逆に動かすことは出来ませんでした。
そして車はコーナー内側を向いて雑木林に突進していきます。
買ったばかりの新車が!!!恐怖の瞬間です。
側溝をフロントが越えた時にストラットが外れた感覚はありました。
もうハンドルは何の役にもたちません。
林の中を車が進みます。
シャカシャカと雑草が車のボディを叩く音がします。
この時も私の頭は超高速で動いていましたが、今までの思い出が頭をよぎっていました。
正に「走馬燈」でした。
林なので木はありますね。最後は木にぶつかる音がしました。
「バコン!!」(もう2度とあの音は聞きたくありません。)
これで新車はもう2度と動くことはありませんでした。
シートベルトはしっかりしていたので命に別状はありませんでした。
今でも胸の肋骨の折れた後は残っていますが…。
(たいして痛くなかったので病院には行きませんでした。)
アー恐かった!!!
当時は車両保険が異常に高価であったため、
(30歳未満で初めての保険)入っていませんでした。
この為、お金が溜まるまで2年間は車が買えませんでした。
命が残ったので良しとします。
DIA_1st