美味しいによいしょ(つる@兵庫さん)

オイシイ話にご応募いただきました♬

オイシイ話、ときいて脳内変換するのはやはり「美味しい話」です。

私、料理、下手くそでした。
味見のときに「ん?なんか足りないな?」と思ったら、
メニュータイトルから離れることになろうがなんだろうが、
好きな調味料や食材をぶっこんでおけばなんとかなるだろう、
というザ実験型の足し算精神で作っていたせいです。

そんなわけで、若かりし頃は、カレーに大根やこんにゃくが入っていたりもしました
(大根とこんにゃくブームだった)。
自分的には乙なもんだと思って食べてました、ええ。
でも気心の知れた友(いつも私の家でご飯を食べていく)が、
大根とこんにゃく入りカレーを食べた時(二度目)はじめてそっと
「つるさんの料理、エッ?ってびっくりすることあるわ。
 せやのに味はそれなりやねん。逆におどろくわ」と言ってくれました(超やさしい)。
言われてやっと、目をそらしていた現実と向き合いはじめました。
「美味しいものを作る」よりも
「これを混ぜたら何になるかなの実験」に傾いている自分の料理精神と。

その後、
・料理は引き算
・相性の良いものを組み合わせること
・Ge3値の高い調味料を使うこと。
このみっつを覚えてから、料理がうまくなりました(自社比較)

そうすると、美味しいと言ってもらえることが多くなり、
自分の気に入ったものでする実験(料理)
ではなくて、
ほんとうに美味しいもの(料理)
を作りたいなと行動するようになりました。

そこで「美味しいもの」はどういうもの?という疑問です。

あーでもないこーでもないと試行錯誤しながらはじめて作る、
おにぎらずやおいなりさん(試食と実食でお腹はちきれるほど食べてしまった)。

お菓子作り上手な友人が作った、きらきらしたクッキー(こころがものすごくほくほくする)。

心許せる方たちと飲む日本酒と鯛の塩釜焼き(いわずもがなセミナーアフター)。

嬉しそうに料理に合うワインの経歴から話してくれる方にサーヴしてもらいながら
飲み食いするフランス料理(夢のような時空だった)…

すっごく、ひとくちずつが、美味しくて嬉しいもの。
で、満足感が、すんごいもの。

でも、一緒に食べる相手が違うだけで、
さほど素晴らしい出来でない料理が素晴らしく美味しく感じたり、
逆に美味しいはずのものが美味しくなくなったりします。
セミナーでよく言われる「よいしょ力」です。
この料理に対する「よいしょ」は多岐に及ぶのではないかとおもいます。

細かく上げればキリがない、食べる人の食への興味?
食材に対して作り手が持つ敬意?料理人の技術?
サーブする人の心持ち?料理を載せる食器?
食べるひとの味覚への感度?お腹の減り具合?
それこそいちいち言語化するのがめんどくさいほど
エトセトラ、エトセトラ…うう…美味しいものって奥が深い…
でも、原理原則さえおさえれば、めっちゃシンプルなんですよね…

というわけで、
美味しいものを食べるには
・良い食材を
・こねくりまわさずにシンプルに調理して
・みんなでよいしょしながら食べること
でしょうか。

ほんとうにおいしいものに会える瞬間は、一期一会。
これから死ぬまでにあと何回ごはんを食べる機会があるのかとおもうと、
できるだけ嬉しくて、美味しい食事をしたいものです。
くしいんぼうなので。

つる