公開版「大地」製作レポート(@kumi@兵庫さん)

公開版「大地」

@kumi@兵庫さんからいただいた公開版「大地」の製作レポートを掲載します。


「公開版大地」を製作しましたので、ご報告致します。
一年程前から製作を重ね、試行錯誤を経て今回6枚目にして、納得のゆく形に仕上がりました。
ご参考になればと思い、記させて頂きます。
必要な寸法、材料等は過去に記されたこちらをご覧下さい。

 

大まかな工程(大地一枚分)は、

①材料入手

鉄板→4.0×260×260(mm)×4枚
馴染みの鉄工所3,600円(サイズ、仕入先により異なると思います)

木材→杉の無垢材10×300×600(mm)×1枚
ロイ○ルホームセンター600円程度

石材→デコレーションタイル20×20(mm)36枚入×4
同上2500円程度(園芸用の一枚物だと数百円程度)

②下地処理

錆止め(スプレー剤1,000円程度1本)、ニス(溶液 数百円1本、ハケ100円1本)

③接着(セメダインスーパーX135ml 1000円 1本)・乾燥

以上、製作時間半日、費用10,000円弱です。

 

今回は小型のNASとネットワークプレイヤー・プリメインアンプ用で、
最小の4.0×260×260(mm)で材料を用意しました。

鉄板は、日頃より懇意にさせて頂いている東京の鉄工所から直接、取り寄せさせて頂いています。
オーダーの際はバリ取りもお願いします。
角が尖っていたり反り返っていたりしますので、必須です。
4枚で送料込み3,600円(参考価格)です。

屋外でサビ止めスプレーを使い、表面処理します。
素の状態ですと直接濡れなくても湿気を吸い錆びてきますし、
処理しておくと光沢が出て手触りも良くなります。
仕上がりをイメージして天面と底面に使用する物を決めておき、
その面はむらなく丁寧に塗布します。
他の面は接着してしまいますので、側面プラスα程度に留めておきます。

公開版「大地」

屋外で乾燥させます。
使用したスプレーの乾燥時間は30分(夏季15分)です。
砂ほこりが付着(夏場は虫も寄り付きます)する可能性がありますので、
天面は、ダンボールで養生して乾燥させました。

次に木材は、ホームセンターで入手。
コー○ン、ビ○ホームでは必要なサイズの無垢材はありませんでした。
ロイ○ルホームセンターで杉の無垢材10×300×600(mm)が販売されています。
最終設置する際のことを考えて、気に入った木目、反りが少ない個体を選ぶようにしています。

現場で必要サイズにカット処理してもらった後、角を少し丸めたり側面のざらつきを取るために、
紙やすりの400番より高い番手で、軽く研磨し、ニス塗りの下準備をします。

公開版「大地」

手頃なハケ(100円くらい)を使い、速乾ニスを側面に時間差で二度塗りします。
スプレータイプのニスは手軽ですが、水溶度が高く木材が溶剤を吸い込みやすく、
ニス特有の質感が出にくいです。
逆に、こてこての油性のニスは冬場、薄め液も混ざらないほど固着して、扱いにくいです。
アルコール臭がするので必ず屋外で施工します。

公開版「大地」

次に鉄板の接着です。
セメダインスーパーXを使用します(135mlの箱入り1本必要です。)。
こちらもそれなりに臭いがしますし、換気を推奨していることもあるので屋外、
もしくは換気が確実にできる場所で施工します。
塗布量は画像の程度かそれより少な目でよいと感じます。
これ以上塗ると、鉄板の自重で、接着後にずれて固着します。

公開版「大地」

付属のヘラで丁寧に均一になるように接着する両面に塗布し、
5分くらい経ってから、貼り合わせます。

公開版「大地」

次に石材です。
ホームセンターで10mm厚の平板が、園芸コーナーで販売されていますが、
ほぼ300mm×300mmで今回のサイズと合わないことと、軽量に仕上げるため、
デコレーション用のタイルを使用しました。

公開版「大地」

タイル裏面には両面テープがついていますので、
鉄板との接着の際は、鉄板側のみに、セメダインスーパーXを塗布します。
接着の際、側面側は丁寧に隙間を均一にし、鉄板とツライチになるように並べます。
それ以外は見えないので、間隔などは適当です。

タイル表面と木材の接着では、タイル面への接着剤は鉄板の場合と同様均一にし、
木材側は、ほんの少し大目に塗布します(木が接着剤を吸収するため)。

いずれの材料の下準備・貼り合わせの際にも、
どの面を天面にするか、どの面を前面にするかを決めておくことをおすすめします。
日々、目にするので、僅かな差で美しさが違ったりしますし、
特に木材はどの木目を楽しみたいかでビジュアルが大きく異なります。

公開版「大地」

鉄板は重く、接着剤は強固なので作業性が悪く慌てる場面がありますので、
事前にきっちり決めて仕上げていくことと、
貼り合わせの際は重たいですが、テーブルやカウンターに載せる等して目線の高さまで持ってきて、
ずれていないか確認したり好みの位置にすることをおすすめします。
私は、天面の鉄板のみコンマ数mmオフセットして、安定感のある仕上げにしています。

しっかり確認しながら進めないと、
仕上がってからmm単位でちぐはぐになっていることがあり大変不恰好です。

全て貼り合わせたら、完全に固着(24時間程度)するまで、放置します。
接着後はそれほど臭いがしないので、屋内乾燥でもいいかもしれませんが、
気になる場合はベランダ等、屋外がよいかもしれません。

完成品の重量はジャスト10kgでした。

完成品に限らず、鉄板は誤って室内で落下させると取り返しがつかないことになりますので、
移動の際は声だし確認してもいいくらい慎重にすることを推奨します。
完成品に限っては、今回の最軽量で10kgです。
階上へ運搬する必要がある場合は大仕事になりますので、設置まで気が抜けません。

公開版「大地」

当然ながら、製品版にはビジュアルもGe3値も優ることはありませんが、
ワンオフで製作した一点物の慶びは、
自身のオーディオ道に大きな1ページを刻むことになりますし、
揺るぎない安定感抜群の音に包まれると、苦労も報われるというものでしょう。

唯一の難点は、重すぎて「大地がある時~」と「ない時~」の比較試聴が
容易にできないことくらいでしょうか。

是非、作ってみて下さい。
慣れると楽しいし満足感高いですよ。