【篳篥・朱】演奏者や楽器の存在感がアップする

篳篥・朱

投稿者:tao@東京さん
使用製品:篳篥・朱


とてもユニークなオーディオアクセサリーを開発・製造・販売しているGe3から、新製品が発売された。
その製品名は「篳篥・朱(ヒチリキ・アカ)」である。

篳篥・朱

「篳篥・朱」長さ35ミリほどの朱色の丸く細い棒状のものである。
4本が1セットで販売されている。
その情報をtwitterで知り、早速入手してみた。
とても小さいものなので、その存在感はおとなしめである。

その使用方法であるが、Ge3のHPには「接続ケーブルの入力端子に装着するのが最も効きます。取り付け時のポイントは面積と固定方法です。コネクターに接触する面積が多い様に取り付けて下さい。固定には真鍮の針金で縛り付けるのが一番でした。」との情報が載っていた。

我が家で現在使用しているプリアンプは、CHORD CPA-5000である。
その入力端子には2系統のアンバランスケーブルが接続されている。
1つはDAコンバーターからもう一つはフォノイコライザーから音楽信号を運んできている。

この2系統のケーブルのプリアンプへの接続端子に装着してみた。
そして、その変化具合を確かめた。
Ge3のHPには「効果の傾向は『飛び散る汗』が見える方向です。つまり、よりゲゲゲ的に生々しい方向です。」とあったので、そういう方向への変化を期待して耳を傾けた。

期待値が高かったからか、「あれっ・・・」と少々肩透かしを食らった。
「確かに変わる・・・変わるけれど・・・」といった感じで期待に膨らんだ心は急速に萎んできた。
「断断断」「箱 断断断」での対策がある程度行き届いていたので、「さらなるステージへの飛躍は難しいのであろうか・・・」と、思い始めた。

「装着する場所は機器の出力側よりも入力側の方が良いみたいです。」とHPにはあったが、
「もしかして・・・オーディオシステムは個々に状況が大きく違う・・・わが家では逆だったりして・・・」と、入力ケーブルの端子に付いていたものを取り外し、スピーカーケーブルに使用してみた。

今度は少々期待値が低い精神状態で試聴し始めた。
そして、再度試聴が開始されると、やや斜視になりかけて細めに開いていた私の目がさっと見開いた。
「確かに、生々しい・・・」と感じた。

変化の傾向としては「断断断」を3度塗りしたメンディングテープをスピーカーケーブルの一部に巻き付けた際の変化と同じような効果があった。

何らかの原因で欠落してた微細な音情報が復活することによって、スピーカーから放たれる音の精度が上がり、演奏者、あるいは演奏される楽器の存在感がアップするといった感触である。

オーディオ用語では一般的に「実在感」と表現されることが多い要素が上がった、と感じた。

我が家のオーディオシステムの要であるスピーカーは、ソナス・ファベールのガルネリ・メメントである。
イタリア製らしく楽器的な鳴り方をするスピーカーであるが、その音楽性の高い鳴り様に、演奏者の存在感をしっかりと感じさせてくれる要素が加わると、音楽の聴こえ方がより濃厚・濃密になると思った。