【超銀蛇デジタル/雷智3】楽器の姿が見える!

投稿者:HH@東京さん
使用製品:超銀蛇デジタル(販売終了)・雷智3(販売終了)
*現在は後継商品の「雷智9.3」を販売中です


自分の音楽的感性(≒オーディオに求める性能)とGe3値非常に良く一致しているとひそかに自負していたのですが、ひとつだけ人には言えない秘密がありました。

プレーヤーとアンプをつなぐデジタルケーブルです。
旧(アナログ)銀蛇とベルデンのバランスケーブルを比較試聴した結果、ベルデンをメインの音楽用システムに採用、それまで使っていた銀蛇は映画用のシステムに左遷されました。
自分の耳による評価とGe3値の評価がここまで大きく乖離したことはかつてなく、さすがにGe3値というシステムに対する信頼が崩壊するということはなかったのですが、最終的に自分の耳による判断を優先して以来、掲示板への書き込みや人柱報告をする度にある種のやましさ、言うべきことを言っていないという後ろめたさと戦うことになったのでした。
 
デジタル銀蛇はそんな苦しみ、オーディオGe3値に対して抱いていた微かな疑念を見事に払拭してくれました。
つないだ直後、鳴らし始めこそ意外にモヤモヤとしていてあれれ???という感じでしたが、6時間経過後、ベルデンをはるかに凌ぐパフォーマンスを示し始めました。
「示し始めた」と書いたのは、この後1週間ほどの間さらに良くなっていく、という意味です(芋蔓DQ(販売終了)もあれ、要石25(販売終了)など最近のGe3製品は本領を発揮するまでにかなり長いトレーニング期間が必要なようです)。
 
デジタル銀蛇の凄さは、たとえばオーケストラの録音で奏者の椅子のきしみまで再生してしまう超高解像度や低音の押し出しの強さもさることながら、音の実体感に最も顕著に表れると感じました音の輪郭を描くのではなく、芯からぎっしりと詰まった密度の高い音が自ずからその姿を現す、という感覚です。
アマチュアとプロが使う音の違いに似ているかもしれません。
もっと平易に言えば、皮だけの最中と餡が隙間なく詰まった最中の違いです。
 
しかしデジタル銀蛇の本当の実力は、まだこの段階では発揮されてはいなかったのです。
ガスレンジから外した雷智3をデジタル銀蛇に巻いて、いつも試聴に使っているベーム&ベルリンフィルの『魔笛』を聴いた時の驚き。
フルートの、管の丸みが見える! 
アバド&ロンドン響のロッシーニ序曲集を聴けば、弦楽器の弓の動きが見える!
あるいはセル&クリーヴランドの「ジークフリートの葬送行進曲」。
決して好きとは言えないワーグナーを聴いて、初めて涙が出ました。
音を聞いてなぜ姿が見えるのか、よくわかりません。
いわゆる「共感覚」が働くのか、あるいはソニーの超解像技術のように蓄積された視覚データベースが起動するのでしょうか。
いずれにしてもそのような非日常的な作用を発動させるだけの喚起力を持った再生音がここにはあります。
 
デジタル銀蛇のおかげでカール・ベームという指揮者に対する評価も変わりました。
がっしりとして揺るぎない音楽を作る(だけの)指揮者と思っていたベームも、デジタル銀蛇+雷智3を通して聴くならば、細やかなニュアンスをあちこちに配した(実は)繊細で非常に音楽的な指揮者だということがわかります。
同じように「硬直した」と形容されることが多いジョージ・セルも、すぐれた装置においてはしなやかで「歌」にあふれた指揮者なのです。
演奏を最大限に享受し、演奏者を正当に評価するために、デジタル銀蛇は必須と言えそうです。
 
*現在は後継商品の「芋蔓DQ雲泥」「要石125」を販売中です
 
 
 
【付記】
情報の共有のためにデジタル銀蛇導入と前後してネットワークオーディオに施した改良を記しておきます。
いずれもかなりの効果がありました。
 
・LANケーブルをフルテックの倶楽部員に交換
・LANケーブルをQシート(販売終了)巻き
・サーバーとプレーヤーの接続ポイントをルーターからハブに変更
・ハブをアライドテレシスCentreCOM FS705EXに交換
・ハブの電源を電池に変更
・ハブとルーターの接続を有線から無線に変更
・サーバー、ハブに要石21(15+1×6)を接続
・ハブの空きジャックに金井式ターミネーター
 
 
【写真について】
 

左下がスフォルツァート、右上がアライドテレシスです。

端子とケーブルは左から
ワード入力(要石25、RCA→BNC変換プラグ)
ワード出力(一般のBNCケーブル、黒アゲハ巻き)
デジタル同軸出力(銀蛇、雷智3)
デジタルバランス出力(ベルデン、Qシート巻き)

ハブのLAN端子に接続されているのは左から
フルテックLANケーブル Qシート巻き
金井式ターミネーター
非オーディオ用LANケーブル(無線コンバーターへ)
金井式ターミネーター

電池はハブの電源用です。
充電式1.2V×4で実測5.1V、動作停止時の電圧は4.2Vでした。