サブウーファーから判った、数と面積の関係

数と面積の関係

低域で「音の壁」が気になって色々なことを考えていると、
高域にも似たような現象があるコトに気が付いた。
それは音量とは違う、エネルギ量とでも言う種類のモノだ。

TOPのSPはユニットが非常識な程使ってるSPだが、
このタイプのSPを好む人達が少なからず居る訳で、似た形のSPが存在する。
僕には、これの何処に魅力を感じているのかが良く判らないでいたのだが、
それが、ようやく判る様な気がして来た訳だ。
壁と言うか、押し寄せて来る波なんですw ^^;

どうも機械的にも回路的にも、同じモノを多く使うと性能が良くなるらしい。
エンジンの多気筒化もAMPのプッシュプル方式も、電波望遠鏡でのそれも、どことなく似た匂いを感じてしまう。

12気筒のエンジン

 

南アフリカの電波望遠鏡

数と面積は音にも関係している

面積が必要なのは録音時も同じだ。
雷鳴を録音する時に「マイクを使うよりも、大きなSPユニットを使った方が良い。」
と言ってた人を思い出した。誰だったか忘れてしまったが、似た様なコトを感じたのだと思う。

これに似た現象は他でも観察される様な気がして仕方がない。

12連SP

上の写真はGe3で作った「12連SP」だが、これはトーンゾイレと呼ばる形式のSPだ。
90mm径のユニットを縦に12個並べてラインアレイを構成とした。
これは、大きなフルレンジを仮想的に実現すると考えて作った訳だが、
結果的に「数と面積の関係」の仮説の証明に繋がったと考えている。
「12連SP」は120Hz〜21000Hzが、ほぼフラットな特性の35cm径のフルレンジという、あり得ないユニットを逆ホーンに収めたSPだ。
位相特性と過度応答特性が特に優れたSPとなった。
それは完全に空間に溶け込み消えてしまう、理想的な点音源を実現できたSPだで、Ge3値は126p以上ある。
足りないと思っていた低音もそれなりにはあって、室内楽などは普通に楽しめる。
でも、やはり低音は少ない。
そこで、実験的にサブウーファーを足してみると、適合性の高さに驚くこととなった。
一般的なサブウーファーは過度応答特性などは意識されていない為、全く期待せずに手持ちのトーンゾイレ方式のサブウーファーを繋いでみた。すると簡単に繋がってしまったのだ。
これはサブウーファーに足りない「ウブ毛」の部分を「12連SP」が補完したと考えると、繋がりの良さも理解できそうだ。

数と面積と密度感

ここでは「数と面積との音との関係」を説明しようと試みているのだが、数と面積が増えると何が増えるのだろうか?
その関連を説明することが難しかった訳だが、ある言葉を思い付いた。
それは「密度感」という言葉で表されるモノなのかも知れない。

オーディオで使われる「密度感」も、ややこしい言葉の一つだが、
例えるなら「2トラ38」と「カセット テープ」の違いである。

人間には感じても、測定が難しい分野の数値でだと思う。
これがサブウーファーの所で説明しようとしていた「音の壁」だと思う。
そして、これに似たコトが「高域」にも存在するらしい。

ツイーターの面積

ツイーターの面積を多くしたいとの思いは、昔からもあったみたいでハイルドライバー もその一つだ。

現在のハイルドライバー 

その振動板 

そして、その構造だ。

この様にツイーターの面積を増やそうとの試みをする人とそれを好む人達が居て、
今日に至る訳だが、「12連SP」もその仲間な様な気がして来た。^^;

ユニットの仕組みと密度感

それで、ユニットの種類の違いによる密度感のGe3値を調べてみた。

  振動板の面積 密度感
ドーム型 1inch径  80p  79p
ホーン型 1inch径 108p 108p
コーン型 90mm径  92p  87p
12連SP 119p 118p
Dayton Audio AMT Mini-8 112p 111p
Dayton Audio AMTPRO-4 114p 114p

この様に密度感は面積に比例しているようだ。
”上”的には12連SPでも、まだ足りないみたいなのだ。^^;

高域の音量が足りないと言ってる訳で無い。
音量は同じでも密度感が足りないのである。
これは数を増やして面積を得るしか方法は無いと思われる。
現在ハイルドライバーを使っている人でも、ドライバーを追加される事をお勧めする。
使っていない人は当然だ。


実験にお勧めのドライバー

Dayton Audio AMT Mini-8 

 

 

Dayton Audio AMTPRO-4

ところが、”上”的には、まだ足りないらしいので、その数を調べてみた。

密度感のGe3値

個数
Dayton Audio AMT Mini-8 111p 112p 113p 114p
Dayton Audio AMTPRO-4 114p 121p 126p 128p

面白事に価格とGe3値がほぼ比例している。
どういう事なのか、訳が判らない。

試してみたい人は、現状のSPでの過不足を考慮しないと勿体無いです。
その為、kisa@ge3.jp まで、SPの写真を送って下さい。
必要な数量を調べます。

何とも、えらいコトになって来ました。
ここまでお付き合い頂き、感謝します。m(_ _)m