Aquiraxさんの(旧)芋蔓長編レポ

●その1

昨日、きささんからホタルイカ付き1mモノが届けられました。
長さはセッティングをわずかに動かしてギリギリで間に合いました。
1.5mライカル線(B-tonと10円玉でSPに近い方一カ所だけ制振)から替えた
直後の印象です。

ダイアナ・クラール、遠藤響子のCD-R、マーカス・ミラーの新譜、木住野佳子
のピアノ等を聴きました。

最初のダイアナ・クラールは、音楽がスローモーションで聞こえてきた・・・・
というと誤解する向きもあるか思うので、言い換えると、
音が高速度撮影されて映写されたように聞こえてきた。
明らかにこの前聴いた時よりヴォーカルの表現がしっとりと感じられる。
全体に落ち着いてドッシリと腰が据わり、背景が静かになった。
音の出方がますますリラックスした。
それに伴って音像が若干ふっくらとしたように感じる。

金モノの余韻がきれいになった。
音色は、明瞭ながらも、まろやかで耳なじみが良い。
Masterから分けていただいた「きささん御用達波動水」の味を思い出した。
帯域バランス上の変化は特に感じられない。
品位が上がったライカル線、というか、この線の強みを強調したような変化。

和モノより洋モノの再生の方が聴き応えがある。
濃いニュアンスを微妙なところまで余すところ無く伝える。
それとの対比で、和モノの味がサッパリして感じられたのかもしれない。

第一印象としてはこんなところです。
「これぞ激変!」とまでは言えるかどうか。
中低音の出方に「内圧のようなもの」を感じるので、さらに音が良くなる予感はあります。
元々「内圧が高い」遠藤響子CD-Rはまだ欲求不満を感じる音の出方。
ここらでモーツァルトいってみましょうか。(爆)

ただ、うちのスピーカーは元々の音色がまったり系なので
さすがに限界が顔を覗かせてきたのかも知れません。

スピーカーのキャラクターを超えた音は出ていますけど。

この数ヶ月で、システムのボトムネックが意外にもケーブルにあるってことが
判ってきましたが、お次はどこなんでしょうね。

●その2

半日経って、音がさらに解放されてきました。
たぶん私の聴く音量が小さいため、効果が判るまで間があるのでしょう。
ここまで来れば、ただのライカル線とは雲泥の差です。

音の速さや勢いが三割増しになった感じがする。
スピーカーが投げてくる球質が、高校生とメジャーリーガーぐらい違う。
とにかく、もたついたところがなく、
スピーカーのレスポンスが鋭敏になったような感じさえ受ける。

音の枝葉末節の変化ではなくて、表現上の決め所に関わる質の向上がある。
楽器や声のニュアンスが自然で深くなり、細部に渡って表情が明瞭に読みとれる。
かと言って、変に神経質になることはなく、むしろ闊達な印象。

音場が広がり、楽器のスケールに応じた存在感を表出する。
エコーはかなりハッキリ聞こえるが、
本体の音の密度が高いので、まったく邪魔にならない。
かえってエコーが消えていく空間の静けさが際立つ。

これ以上何を求めたらいいのか、しばらくはイメージが湧きそうにありません。

●その3

ここには「より正しい」スピーカーケーブルの姿があると確信する。

これで聴くと、今まで使われていたケーブルのほとんどが
その再生音においていかに多くのものを捨象してきたかが判る。

また、いかに枝葉末節を強調してしまっていたかが判る。

われわれは、これを注意深く用いることによって、
演奏家が表現し得たもののうちの多くを、
記録媒体や再生装置の限界をさほど感じないで、受け取ることができるだろう。

それは聴く者の演奏に対する感性が磨かれるほどのものである。

このスピーカーケーブルは、
日頃生演奏に接することが少ない音楽ファンへの最大のプレゼントであり、
また、録音された音楽にある種の失望を禁じ得なかった人々にとっての希望となるだろう。

以上、まるで「宣伝文句」のようですし(笑)、
訳文みたいにぎこちない表現ですが、
使ってみての正直なところを言い表してみました。

ほんとに懐の深い、しかも虚飾のない音を聴かせてくれています。

オーディオを弄っていると、
音楽そっちのけで「音」の善し悪しばかりを聴いてしまい、
また、そこが楽しかったりもするんですが、
このスピーカーコードに限っては、「音楽」を聴かずにはおれなくなるぐらいの
充実した情報を引き出してくれるみたいです。

純粋に「宣伝文句」としてだったら、こんなのはいかが。

「音楽的栄養価を損なわない"健康”スピーカーケーブル」

若者にはアピールしないな、こりゃ。(爆)