涙は出るは、鳥肌は立つは、感動の嵐となった(青木さん)

音の良さで貼付隊のXRT-290〔リア〕に抜かれてしまったQuadrature DSP-1〔フロント〕の名誉挽回の為これまで様々な工夫を凝らしてきた。
毎日曜日に行っている960本のスピーカー取り付けビスのトルク調整の他、ケブタでは音の拡散を、縦に並ぶ各スピーカーの隙間にHK-1なる物を並べて、音の直進性を高めてきた。
リアのXRT-290はコンクリートの上にコンパネ+花林〔Pradu〕のフローリングの上に置いている。DENTECのインシュレーターVEBは湿気で膨張していたこのフローリングを上から押さえつけ、不要な振動を吸収して効果をあげた。
フロントシステムの床についてはスラブの上に30cm間隔の根太を敷いており、リアとの違いは、床下の空間の有無である。花林はタイが原産地で沈木であ り、超硬刃を使わないと加工できない程硬い木なので、床下の空間があると雖も強度的にもかなり高い筈だ。しかしVEBは思うような成果を上げる事ができな かった。
以上の経緯から、新大地についても駄目であろうと半ば諦めていた。
新大地(大地2)が届き。早速背丈が2mで20個のツイーターと12個のMidが縦に並ぶノッポのスピーカーを載せみた。
スピーカーを前後に揺すってみたが、ぐらつきについては以前と変わらない。
さていよいよ音出しである。結果は予想を裏切り、涙は出るは、鳥肌は立つは、感動の嵐となった。大成功である。
聴く曲聴く曲全てが実に気持ちが良い。
今までバラバラに鳴っていたスピーカーが一斉に呼吸を整えるのだ。
大編成のオーケストラが演奏を開始し始めるあの緊張感、息を呑む程、寸分違わず演奏を始めるあの呼吸が感じられるのだ。
しかも驚いた事に大地を中高域のスピーカーの下に敷いたにも関わらず、低音の再生能力が格段に向上したのだ。これは恐らく低域の倍音成分が中高域のスピーカーでしっかりと再生されているのだろう。とてもワイドな表現となったのだ。
「もののけ姫」サウンドトラックの1曲目の冒頭のあの2回の銅鑼の様な合成音が「ズドォーン」から「ドガァーン!!」と4倍の迫力を見せ付けるのである。
家で聴いた事のある人ならそれがどんなに凄い事か想像がつくでしょう。
斯くしてQuadrature DSP-1はダイナ川又氏推薦のあのNEO Mosquitoの溌剌さを保ちつつ、位相差の無い平面音波で音の直進性に優れ且つ空気中にきめ細かく音が溶け込んで行く、とてつもないスピーカーへと変貌を遂げた。
ここまで凄いと、当然アンプの下にも敷いて見たくなる。
アンプのサイズに見合う、もう少し大きなサイズのバリエーションを大いに期待したい。