音が繊細になり,音の余韻が分かるように(ジリさん)

ショートピン(鼓筆)のテストは聴感上の比較にて行いました.
そのためまず初めに私のシステムと音色について記載します.

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1.システム

CDプレーヤー:AH! NjoeTjoeb4000,
プリメインアンプ:Prima Luna ProLogue Two
スピーカー:KENWOODの製品に手を加えた物
電 源:Ge3の手法に従って作成

2.システムの音色

スピーカーの調音はKatie Meluaのアルバム『Call Off The Search』からCall Off The SearchとCawling Up Hillの2曲を利用して行ってあります.

これらの曲は主として中音域に広がるマイルドなボーカルとアタックの強いギター,ウッドベース,繊細なピアノから構成されており,私が調音に用いた理由は,

    a) 個々の音色が判別しやすいこと
    b) 高音伸びがあること
    c) 空間の広がり方を判断し易いこと

の3点によります.

スピーカーの調音では高音の抜けを殺さない程度に,煌びやかになりがちな高音を少し丸めてあります.

また中音域の上下端に軽くくびれが出るようにしてあります.
しかしこの調音はスペクトルの測定結果からではなく聴感で行いました.

なお音の繊細さと余韻の比較対象にはSTAXのSR-303とSRM-313の組み合わせから成る静電型イヤースピーカーおよびドライバーユニットを用いました.

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3.テスト方法

テストでは2セットあるショートピンをアンプの入力端子LRに1セットずつ増やしながら行いました.
またショートピンによる音の変化は,先に述べた2曲の冒頭30秒をリピートし,聴感の変化から判断しました.
なおリスニングはスピーカーを底辺にとった二等辺三角形の頂点より少し内側に入った位置にておこないました.

4.ショートピン接続による音の変化

1) ショートピン1セット

音場がスピーカー間に凝縮する感じを強く受けました.イメージとしては左右のスピーカーの間にブラックホールが生じるような感じです.
そして今まで充分クリアな音と捉えていた音がよりクリアになりました.
このときの変化は脈々と要石を繋いだときに受けた衝撃の80%ぐらいに相当しました.

2)ショートピン2セット

数による効果の倍増を期待しましたが,音のクリアさから判断するとその効果は,1セットの時の約1.5でした.しかし空間の広がりが急に広がり始めました.

5.1週間後の変化

アンプに挿しておいたショートピン2セットを外し,前回と同じ音源にて試聴の比較を行いました.

1)ショートピン1セット

前回の様な空間の凝縮はおこらず,音の余韻がベールの様になって広がっていく様を感覚的に捉えることができるようになりました.

2)ショートピン2セット

アンプに1セットを挿したときはにベールの裾野分かる状態だったのですが,2セットを挿すことでこの裾野が分からなくなります.ちょど輪郭を消すために刷毛で外側に払った様な感じです.

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6.まとめ

ショートピンをアンプに挿すとアンプの動作が安定するためか,音が繊細になり,音の余韻が分かるようになります.

この恩恵が如実に表れるのは,ピアノの不協和音を多用した曲や残響音の多いプログレ,音に暑苦しさを感じるラテン音楽です.
通常,これらの音源を再生すると音が玉状になり,暑苦しさや聴き疲れを覚えます.

しかしショートピンを刺すことによって,音にまとわりついていた暑苦しさがとれ,音源の良さに気が付きます.そしてこれらの音源をリピートで再生したくなるのです.

<音源の例>

Chihiro Yamanaka / Outside by the Swing
Hiromi Uehara / Hiromi's Sonicbloom Time Control
Shakira / Laundry Service
YES / Flagile