使用機材は、プレーヤーはCEC930,カートリッジはデノン103SA、トランスはAU300、アンプはサンスイ907リミテッド、スピーカーはきささんから譲り受けた三菱2S305で、SPケーブルについては芋蔓を使用。
このLPスタビライザーを使用前においても、自分としてはそこそこ満足をしてはいたものの、やはりカートリッジの性能の限界は否定できないというのが正直なところでした。
で、話はちょっと昔にさかのぼりますが、かれこれ2年前位に壊れる寸前の103のノーマルに実験的に青Qを塗り付けて使用したことがありました。その音はまさに激変ものでした。本来の中低域の厚みがリアルになり高域の音の散りかた(音の消え行く感じ)や低域が鮮やかに変化したのです。
現在は103SAを使用していますが、確かにレンジは広く、高品位ではあるけれども、元々から設計者が放送局での使用を前提に設計をしているためなのか、あえて音が出過ぎず聴きやすいけれども何かが足りないと感じており、そんなこんなでカートリッジの変更を考え始めた丁度そんな時にこのスタビライザー(響)を手にすることになりました。
このスタビライザーは、不思議です。例えばバンドサウンドの場合、バッキングギターが完璧に現れます。バンド演奏を実際に経験したことのある人ならばわかると思いますが、バンド演奏でピッチが合った場合、リズム系のセクションは音が一つになるため、それぞれを聴き分けることは困難になります。音楽再生においても同様で、プロは演奏技術が高いためにバッキングギターが鮮明に聴けることは稀だと思います。この音を聴いたとたん、上述の青Q塗り103のことを思い出してしまいました。
103の設計上あえて抑えてた部分をこのスタビライザーを載せることによって「きさマジック」がかかり、より一層音楽的な変化をもたらしているのだなと思います。103使用を前提にした場合の効果は絶大です。
昨今のオーディオ業界の計測的な技術論を基礎とした商品展開も悪くはないであろうけれども、やはり設計者の意図が見え隠れするような普遍的な製品、そしてその能力を最大限に引きだすことのできる開発者を私はこれからもずっと指示し続けていきたいと思います。
きささん「ありがとう」。