ひとことで言うと、純度と品位の向上(村井裕弥さん)

1:DSの下

まずは、LINN MAJIK DSの下に超結界機器用を1枚。

ひとことで言うと、純度と品位の向上。

さっきまで「ここがちょっとうるさい」と思っていたところが気にならなくなり(いや、それどころの改善度ではないな)、何倍か高級な機器に買い換えたかのような快感を得ることができる。

最初は「ちょっときれいな音になりすぎなんじゃないか」とも思ったが、録音現場の音を覚えているソフトを再生する内、「思い出した! 確かにこういう音だった」と確信。けしてフィクショナルな美ではない。

演奏者の鼻歌や鼻息が入っているソフトは、それらが驚くほどリアルに再生されるようになるが、いっこうに音楽の邪魔をしないからすごい…。

追伸 特定の個性を付加しているのではない。ヴァイオリン、ピアノ、ヴォーカル等、同じソフトの中に入っている音源が、それぞれ別の方向に改善される。

「何だ!? 要するにハチャメチャになるのか」と誤解しないでほしい。ヴァイオリンはよりヴァイオリンらしく、ピアノはよりピアノらしくなるのだ。

リアルなのに、情報量が増えるのに、がさつにならず、音はむしろ磨かれる。


2:パッシヴアッテネーターの下

2枚目は、パッシヴアッテネーターの下。
これは、故・島田貴光(たかあき)先生がボクのために作ってくださった品だ。

ここでの効き方は、ひとことでいうと高精細度化と躍動感。

ボクは「見え過ぎちゃって困るの」的な音が嫌いで、「多少ボケてても、カスんでても、味や色が濃くて、ねっとりした音が好きだなあ」と思っているのだが、この「パッシヴの下」は、ボクが1番放置していたところにドンピシャ効いた!

こんなにも見通しのよい音を聴くのは何年ぶりだろう。

それでいて、「見え過ぎちゃって困るの」まで行かないところもたいそう好ましい。


1、2のあと、30分程度放置

30分放置したのち鳴らすと、またびっくり!

スケール感が、さっきまでとはまるで別物だ。

しかもこれは、「鳴らしにくい大型マルチウェイ」を「超巨大パワーアンプ」で無理やり鳴らしたときの音ではない。

もちろん「生そのもの」ではないが、部屋中の空気が全部鳴り切っているかのような、一致団結しているかのような鳴り方だ。

ソフトにもよるが、楽器や声の味わい、薫りもさらに濃くなり、低域の質・量もハンパではない!

ソフトの音楽信号が、そのまま空気に伝わり、聴き手の耳に直結しているかのごとき鳴り方だ。


その後

昨夜就寝前、スピーカー・ターミナルの直近に貼ってみました。

「やけに安っぽい音だなあ」と思っていたDVD(歌劇「カルメン」)のつづきを見ているのですが、安っぽさがどこかへ行ってしまった感じです。

「ほう。実はこういう演奏をしていたのか」と感心してしまいました。

特に、管楽器のソロが味わい深くなった印象。弦もしっとりして、ガサガサした感じが消えました。